FLOW

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支柱とロープの関係

骨と筋肉の関係について。一般書にはあまり書かれていない概念かも。。。

骨と関節、そして筋肉の関係はいろいろなモデルが考案されている。単純なテコの運動に還元して論じることもあるが、基本的に筋肉と関節は複雑で機能的なシステムを構築されている。その中で自分が特におもしろい、いやまさに長年の経験からそうだと感じるモデルがある。

例えば、テントのように柱を数本のひもでひっぱりあうことでバランスをとっている状態。北側のロープの長さがが短ければ、テントは北側に倒れ、それを支えるように反対の南側のロープのテンションが上がる。筋肉は構造上、引っ張ることでしかチカラを発揮できない。同様に倒れそうな北側ロープは支えることはできない。しかも、テントの歪はただ反対のロープにだけ伝わるわけではない、ほぼ全てのロープにテンションが伝播されている。つまり、一箇所テンションが強かったり、バランスを欠いだロープは他の正常なロープのテンションにまで影響を及ぼすことになる。全てのロープを強いテンションで組むとどうなるのか。ガチガチになり一見丈夫に見えるが、遊びがなくなりしなるということができなくなる。結果、風で簡単に吹き飛ばされてしまう。チカラをいなすためには適度な遊びが必要なのだ。適度なテンションではられたテンションは、触ってみるとすこしゆれる。しかしバランスがよく、風が吹いてもロープ同士がチカラを分散し、一箇所に集中しようとしたチカラを逃してくれる。

人の体も同様。一箇所の筋肉のこわばり・拘縮がどれだけ全身に及ぼしているのだろうか。身体はチェーンのようだという。どんなに強いチェーンでも一箇所弱ければチェーンは切れてしまう。そんな単純なモデルに還元はできないと思うが、いわんとしていることは分かる。やはり何事もバランスが大切だということか。

筋肉でほねを動かす意識。骨の比重は2以上で筋肉や内臓の2倍。身体の中にそんな重い棒が入っているのだから、身体を動かすというのは骨を動かす意識が必要であるのは言わずもがな。骨の位置を正確に感覚として感知するためには、筋肉のテンションが高すぎては良くないということ。あらゆる筋肉が適度にゆるみ、適度なテンションを確保している状態であれば、ただ走るという動きでも、全身が強調しあってなせる運動であると理解できる。

身体を支える骨と、骨を支える筋肉。これらの同調が身体に無理のない動きのヒントといえる。