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迷わず行けよ 行けば分かるさ 陸上20種競技

「さぁ、陸上20種競技をやろうよ !!  マイナーだけどね ♪」という話です。

陸上20種競技というのは短距離、長距離、跳んで、投げての競技を2日間朝から晩まで(だいたい12時間くらい)ほとんど休憩なしで行う競技です。日本では陸上マニアやちょっと変わった人くらいにしか知られていないスポーツです。(いや修行と言うべきか)

以下競技種目です。

 ・短距離  100m 200m 400m

 ・中距離  800m 1500m

 ・長距離  3000m 3000m障害 5000m 10000m

 ・障害   110mH 200mH 400mH

 ・投擲   砲丸投 円盤投 やり投 ハンマー投

 ・跳躍   棒高跳 走高跳 走幅跳 三段跳

注目すべきは3000mと3000m障害です。同じ距離なんです。もう一緒にしてくれと言いたくなります。

2日間、全力で競技を20個もするわけですからケガのリスクも高く、言うまでもなく大変疲れます。競技前半では元気だった選手たちは、競技終盤にもなればほぼ無口となり、次の競技へトボトボ向かう姿はまさに奴隷のようです。

2日間の奴隷生活からの解放後にはほとんどの選手は「もうやらない」と言います。ただ、たまに「またやりたい」という変態もいます。奴隷に何かを見つけてしまった人種です。僕もその中のひとりだったわけです。

「またやりたい」と血迷ったことを思った選手たちは、なぜまたやりたいと思ったのでしょうか。そのほとんどの理由が超絶達成感だと思います。これ以上の達成感は他のスポーツではなかなか味わえないと思います。この過酷さを超えるスポーツと言えばトライアスロンウルトラマラソン系くらいなものでしょう。またやりたいと思った選手たちは、ゴール後の特別な充実感を再び得たいという気持ちが大きなモチベーションとなっているのかもしれません。

僕自身、初めての陸上20種競技の終了後、正直達成感はほぼありませんでした。当時のアジア記録を更新したにもかかわらずです。なぜなら競技の途中から疲れと身体の痛みで、手を抜いて競技をしていたからです。自分にウソをついて適当にほどよく競技をしていたわけです。2日間、全力でやり切ることができなかった。胸を張ってやり切ることができなかった。つまり本当のバカになれなかったのです。

本当のバカとは、それはつまり「どんなことでも胸を張って、自分に正直に生きること」だと思います。つまりサウザー様の名言「退かぬ 媚びぬ 省みぬ」です。誰かに後ろ指をさされようとも、世間の意見を気にしないで、心の底からあふれでる動機に対して正直にストレートを投げられるかどうかです。

自分に言い訳をしない生き方をしてきたハズですが、なぜか20種競技のときは守りに入ってしまいました。過酷さから逃げたいという気持ちから、へらへらした態度をとってしまいました。だからこそ、もう一度試合に出てやり切りたいと思います。そして、バカな自分を取り戻したいと思います。

マイナー競技に打ち込んでいると変人扱いされます。そこで、気持ちを下げる必要はありません。そのときこそ堂々とすべきです。バカになって打ち込めばいいのです。言い換えれば、マイノリティであってもマジョリティに飲み込まれる必要はないってことです。 

マイナーな陸上20種競技を続けて行くということは、マイノリティとしての存在価値を示すことかな、と最近思うようになりました。とにかく、ずっとそうやって生きてきたんだから、これからもそうやって生きていこうと思います。