FLOW

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脂肪を使えばランは快適になる、炭水化物は緊急用にとっとけばいい

■12月15日(土)

ジョグ10.5km

 

起床後、グラスフェッドバターをひとかけを口に入れ、ブラジル豆のコーヒーで胃に流し込みのんびりジョグへ。

走り出しは若干からだが動かしにくいが、5分程度でからだの中でいろいろなモノが循環を始める。5分〜5分30秒/km程度で走る。ただ景色が変わってゆくのを眺めていた。

途中で5秒ダッシュ(コンパクトフォーム)を10本入れた。神経系に刺激入れ程度。

むかしから朝はあまり食べなかった。

その方が調子が良いことはカラダが分かっていた。頭も冴え集中力も持続できた。しかし、学校やテレビに出るえらい先生たちは「朝食を食べないとエネルギー不足になる」とか朝食を食べないことによる弊害を訴えていた。

でも、自分の感覚と違っていた。

昔からマラソン業界では、低血糖での持久系トレーニングは体脂肪を燃やしやすい体質になり、炭水化物を節約できるという経験値があった。選手は半信半疑ながらも、その効果を実感する者もいたし、こんなの全く意味がないという選手もいた。

しかし、時代は確実に持久系トレーニングは低血糖状態で行う方が良い方向に向いている。正確に言えば、低負荷・中負荷までは脂肪をエネルギー源として、高負荷のときのみ炭水化物をエネルギー源にするという考え方だ。ここでのポイントは、どのレベルの負荷になるとエネルギー源が炭水化物よりに変化するかという閾値問題である。

高いスピードでも脂肪をエネルギー源として使える体になれば、ここぞというとき(スピードを上げたい時)に炭水化物を温存でき、ラストスパートで他の選手に勝つことができる可能性が高くなる。正確に言えばLT閾値をスピードに対して高くすることが重要だ。

また、50kmを超えるような長距離や数時間にも及ぶトレッキングやトレイルランニングなどでも、体内に蓄積されている脂肪を効率よく使えるようになるため、エネルギー切れとなることは少なくなる。頻繁にお腹が空くようなことはなくなるのだ。頻繁にお腹がすく人は、エネルギー源として炭水化物を主に使うタイプだと言える。

例えば体重60kgで体脂肪10%ならば、体内の脂肪は6kgにもなる。体内の組織やホルモンなどにも脂肪は必要なので、純粋にエネルギーとして使えるのはその半分として3kgの脂肪が使える。脂肪1kgで7000〜9000kcal(純粋な油は9kcal/gだが、体脂肪は水分なども含まれているのでこのように幅がある)。それが3kg×8000kcal=24000kcalもある計算だ。42.195kmのマラソンで消費するエネルギーは2200〜2400kcal程度なので、少なくともフルマラソンを8回は走れる。

もちろん、脂肪を燃やすために消費されるビタミンや、他にも体にとって負担がかかるため、こんなに走ることは現実的には不可能だ。しかし、脂肪を燃やしやすい体になれば、マラソンをいくらでも走れるエネルギーを体内に備わっているということには違いない。

ぼくはトレイルランニングで箱根外輪山(35km程度)を走ることがあるが、今では水しか飲まない。基本的にエネルギー補給はしない。もちろん途中でバテたりはしないで、ほぼ休憩なしで走りきれる。もし、金時山で一休みして甘いチョコでも食べたらもう最悪だ。そのあとは頭がぼーっとして知恵熱みたいな状態になる。手足に力が入らなくなり、下りで集中力が切れてしまう。そして、脚に乳酸がたまってくる。

5年前までは、疲労の原因は炭水化物が不足したからだと思っていたから、スタート前にパンやエネルギージェルを食べたりしていたが、スタート直後から頭がぼーっとするようになった。そのとき気づいた。「何も食べない方が調子いいかも」と。それから、ロングディスタンスの時は何も食べないで走るようになった。

生活の中でも、朝食はコーヒーとグラスフェッドバターのみになった。午前中、すこぶる調子がよくなった。頭がぼーっとすることはないし、だるさもない。バターのおかげでお腹が空くこともない。栄養不足を懸念するかもしれないが、一日、PCに座ってほとんど運動しないのに、そんなにエネルギーや栄養とってどうするんだ?と思う。肥満が社会問題と言うが、肥満の原因の大きな一つが「栄養過多・エネルギー過多」であるのは明らかだ。エネルギー過多だから、それを体内で処理のするために栄養が必要という矛盾がある。お菓子は体内のビタミンを消費させることはよく知られている。

僕は自分がここちよい食事と運動のあり方を発見できたことは、とても幸せだと思う。そして、このやり方が完成されているわけではないことは、さらなる幸せだ。10年、20年と長期的なからだの変化はまだ分からない。なので、これからも自己観察をかかさず、世界で発表されている論文を常にアップデートして、自分で試していこうと思う。別にうまくいかなくたっていい。失敗したってかまわない。なぜなら、自分で考えて自分であれこれやってみる行為が楽しいのだから。

おもしろそうなゲームは自分でやりたい