FLOW

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思い出のロードバイク

 17歳からロードバイクに乗り始めて20年が経った。

 最初の一台目は、沼津の老舗「プロショップナカムラ」さんで購入した約20万のパナソニックのクロモリオーダーだった。カラーはオレンジとブラウンの超しぶめ。アラヤのリムに14番スポークでガチガチかつしなやかに組まれたホイール。フロント52×42のスプロケが12-23という鬼ギヤ比。コンポはシマノ600。当時のロードバイクの代表的なスペックだったと思う。これにはじめてのビンディングペダル(SPD)という無茶な仕様だった。

 納車日(忘れもしない1月7日)に早速箱根に登りに行ったのを思い出す。あまりのギヤ比の重さに確か6km/hくらいのスピードしか出せなかったと思う。当時は陸上部で100mや走幅跳をしていたので瞬間的な脚力には自信があったけど、持久力はあまりなかった。この拷問のような重いギヤ比で箱根の13kmの登りはまさに地獄だった。2時間かけてようやく箱根峠にたどり着いた時は、汗でフレームがびちょびちょだった。脚はガクガク、腕はビクビク、背中とおしりの激痛、そしてハムがつってこけたりと、峠で30分ほど動けなかった。

 しかも季節は冬。箱根峠の気温は1℃程度。汗でからだが冷えだした。ヤバいと思って下りに入ったが、時すでに遅し。手がかじかんでブレーキできない。背中が固まって体重移動ができない。路面が微妙に凍っていてつるつるする。死ぬわ、これ。。。

 

 あれから20年。

 

 バイクはアルミを経てカーボンとなった。週末ともなればロードバイクに乗る方とすれ違うようになった。しかもかっこいいウェアでビシッと決めている方から、カジュアルに着こなしている方までいろいろ。

 また、レースも増えた。クリテリウムヒルクライム、ステージレース、グランフォンドなどなど。全国あちこちでいろんなイベントがある。20年前にはこんなこと想像できなかったなぁ。

 今の自転車環境に対してとにかく感謝したい。マナーなどの問題もあるけど、つまり一般化してきたことの証拠でもある。いろんな人に自転車の楽しさが伝わってゆけばいいと思う。携帯電話も一部の人間のモノだったけど、今では誰でも持っている。マナーの問題は今も残っているけど、一昔前の過渡期に比べたらずいぶんましになった。自転車も少しずつ、いい方向に向かっていってほしい。

 とりあえず、自分はこれからもマイペースでたのしくやっていきたい。