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ALTRA ローンピーク 3.5 レビュー (2019.1.30 Vol.3)

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アルトラ・ローンピーク 3.5

■Vol.1 2018.12.9

試走条件 

・12月9日(日) くもり

・距離20km (ロード12km+トレイル8km : 沼津アルプス)

・ペース 3分30秒〜12分/km

  

富士宮ATC-Storeさんにてアルトラ・ローンピーク 3.5(以下ローンピーク)を購入。アドバイスを頂きながら試着した結果、選んだサイズは27.0。26.5はぴったりだったので、少し余裕をもたせた。ベンチマークスカイセンサーは26.5なので+0.5大きい。ロードのみだったら26.5でも問題ないと感じた。

はき心地はとてもナチュラル。足のどこにも変な干渉が無く、立ってみると素足で芝生の上を立っているような感覚。とくに踵のホールド感が絶妙。ぼくは30km以上のランの場合、アキレス腱の停止部(踵骨のでっぱりのとこ)とシューズが干渉することで、痛みが発生することが多い。しかし、このシューズなら大丈夫かもしれないと感じた。今回実際に20kmのランでは全く問題く違和感は皆無だった。次回は50km程度走ってみようと思う。ゼロドロップを特徴としているが、そのコンセプトを十分に感じ取れるシューズだと思った。

その他、走ってみた感想としては、比較的厚底の割に屈曲性がよく、足を構成する小さな骨・関節の動きに制限があまりかからなく、足の機能を使える感じがした。これはスカイセンサーを履いた時には感じられない繊細な感覚。スカイセンサーは屈曲する部分がフォア部に集中し、かかと部は靴曲しにくい構造。結果的に、距骨下関節の動きは制限され、足機能が解放されない。その代わり、関節の固定力を生かした反発を使えるため、つまりプライオメトリクス的筋出力がしやすい。トレイルという環境では、足機能をフルに使えるシューズの方が対応できるので、ローンピーク のつくりには非常に納得できるものがある。

接地は身体の重心移動をシューズが邪魔をしない。そっと見守ってくれている感じだ。また、ゼロドロップのためかフラット接地と相性が良い。接地し鉛直方向に荷重がかかりはじめると、足関節が適度にしなる感覚がちゃんとある。しなった足底が元へ戻る瞬間、しっかり地面へチカラを伝える動きが反射的にできる。それはまさに素足で走る時と同じ足の動きだ。あとは、サンダルで走る時もこんな感じ。

あえて、かかと接地をすると明らかにブレーキがかかることがわかる。シューズのかかと部のフォームが圧縮され、そのエネルギーが上方へ抜けてしまう。そのため、荷重が前にスムースに移動しない。これを移動させるためには、膝で地面を蹴るという動作を加えて、ブレーキのエネルギーを超える必要がある。これは上下動として確認できる動きでもある。ぼくはフラット接地なので、非常にスムースに走れた。 

20km程度のランだったが、自分には非常に相性がよいシューズだと思った。

次回は50km程度のトレイルで試してみよう。

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アルトラ・ローンピーク 3.5 靴底

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アルトラ・ローンピーク 3.5 サイドビュー

 

Vol.2 2018.12.26

じゃり坂(6〜8%)600mをダッシュした感想

 

場所は香貫山

600m程度の砂利道の上り坂を数本ダッシュした。

ロングディスタンスとしてのダッシュなので、ペースは2分30秒/km程度 (100mなら15秒程度)

接地の感覚は柔らかいため、積極的に反発をもらいスピードに生かす感じは無い。ただ、きれいにフラット接地して体重を乗せて走れると、ポーンポーンと弾む感覚はあり、なかなか気持ちよく走れた。

足全体をつつみこむ感じが安心感を生み、シューズの干渉による豆や擦れるようなコトは発生しにくいと感じた。

下りはゆっくりジョグをして戻った。

滑るような場面は皆無で、膝に足首にとてもやさしかった。また、バランスのとれた重心と滑りにくいソールなどから、過度の緊張を下肢に与えないため、ヒラメ筋や腓腹筋のエキセントリックな収縮も最小限に感じた。アキレス腱にも優しいと感じたし、結果翌日に全く違和感がなかった。

翌日に疲労が残りにくいシューズなのかもしれないと思った。

 

 

Vol.3 2019.1.30

 200km程度走ってみた感想

・トレイル後のロードで足の負担が少ないことを実感

トレイルでの足の負担は少ないことは、購入してすぐに実感できる。それより驚いたのは、トレイル後のロードが気持ちよく走れること。足首やふくらはぎ周りの疲労感がまったく違う。

他のシューズのときは、ロードに降りてきたとき、硬いコンクリートの影響で足にダメージが蓄積していたことに気づく。しかし、アルトラはコンクリートに設置した瞬間ここちよさが全身に広がる感覚がある。一歩一歩が軽く、下肢のバネがよく効くことが体験できる。

結果的に勝手にスピードが上がることで疲労の蓄積が減少する。数字的にはトレイル後のロード(10km)のペースが6分/km程度だったのが、アルトラになって4分30/kmくらいにまで上昇している。がんばって走っているわけではないのに、このタイム差は驚きだ。

トレイル後、ロードを走って自宅や駐車場や最寄りの駅に向かうことが多かった。その時間が一番辛いものだったけど、アルトラのおかげで気持ちよくロードを走ることができるようになった。

シューズのショック吸収や反発というファクターも重要だが、足首とふくらはぎに負担のかからない構造であるゼロドロップはとても良いコンセプトだと実感した。