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ランナーと一般的治療院の関係 (疑問編)

ランナーと呼ばれる人たちは、だいたいどこか痛い。(らしい)

 

それは膝であったり、腰であったり、アキレス腱であったり、様々ではあるが、とにかく痛めている。

レベルも問わない。初心者は膝を痛めやすいし、上級者は股関節や足首、アキレス腱の繊維化なんかしちゃってる人もいる。

 

原因はフォームだったり、栄養状態、回復、解剖学的ストレス、生理学的ストレス、など一つではないし、それぞれが絡み合って複雑にしている。

なんでもそうであるけど、原因なんて本来一つな訳がない。表在している痛みや問題は膝という特定の場所かもしれないけど、その原因となるモノ・因子はわからないのが正しい。

それでも、みな何が原因か知りたがる。

 

「やっぱりフォームが悪いからですか?」

「体の使い方が下手だからですか?」

プロテイン飲んだ方がいいですか?」

「肩甲骨が硬いんですよ」(この場合、肩甲骨が硬いからですと言ってもらいたい)

 

などなど、答えを知りたがる。

 

なので、そのこたえをパッと言ってくれる治療家・トレーナーは人気になる。

需要がそこにあるのなら、供給側がそこにしっかり対応すれば、そりゃ人は集まる。

原因を「肩甲骨が硬いからです」「骨盤が歪んでいるからです」「シューズがあっていないからです」「体幹が弱いからです」「フォームが悪いからです」「アライメントが崩れているからです」とはっきり言ってもらえば、患者さんはやはり安心するのだろう。

で、いろいろなテクニック・手技、もしくは物理療法(パルス・超音波・低中高周波などなど)を駆使し治療してくれる。

 

その結果、痛みが減弱・消失していれば、そりゃラッキーだ。もう、この人信じちゃう。次も痛くなったら頼もうと思う。もしかしたら、知り合いも紹介しちゃうかもしれない。

わかりやすい言葉で原因をはっきり特定し、確実なテクニックで治療し、お客さんが満足する。そこにはお互いwin-winの関係が存在する。

 

ただ、果たしてそれで問題がないのだろうかと思う。

 

知り合いの方で、からだの不調を特定するより、からだの自然な動き・意識できない繊細な調整力に比重を移した指導をされるバランストレーナーさんがいらっしゃる。

どこか痛みがあったり・不調があっても、そこにフォーカスするのではなく、からだの自動的な調整力を引き出すことで、無意識下にはたらきかける。

 

そのアプローチというか哲学は非常にロジカルで理にかなっている。

身体のほとんど全ては意識でコントロールできないし、自動的な調整力が絶えずせめぎあい、生命として維持している。動的平衡と呼ばれていたり、多様性と呼ばれていたり、複雑系と呼ばれていたり、非線形システムと呼ばれていたり、ホメオスタシスと呼ばれていたり、最新では量子生命科学で説明しようとしている。

 

そんな複雑でコントロール不可の身体であることを謙虚に思えば、簡単に言葉で言い表される原因やテクニックなど、まさに身体という全体の中では意識できる領域はほんのわずかな部分に過ぎないと言える。

 

ただ、おもしろいのは、大きなうねりは、小さなうねりの変化に影響されるという、現象もあるので、意識下における部分的アプローチと、無意識下における全体の自動システムへのアプローチとのバランスが大切なのかなと思う。

 

とかく「部分」に意識することに重点がいきやすいけど、意識を外してみるのもいいんじゃないかと思う。

インターナルフォーカスの比重を減らして、もっとエクスターナルフォーカスを大切にしたい。